ディレクション
いのまたよしはる
プラン「7-Nana」
一人一人独自のテーマを考え提案し、7歳だけがもつ魔力を最大限に引き出す、7歳限定の制作型七五三撮影プランです。
「クラクラの七五三」という長年続くベーシックなプランがあります。昔ながらの七五三らしい雰囲気を大事にするプランで、写真もクラシックな正統派な可愛らしさを特徴とし、真に「思い出」に残るものなので、まちがいなくお薦めできるプランです。
でも…! 7歳という最後の七五三は3歳の時とは違う新しいことをしたい、という想いもあるかもしれません。
カメラマンから見ても、7歳は不思議な魅力があるように思います。純粋な可愛らしさの3歳に対し、7歳は可愛らしさに「美」が加わりはじめる頃だからです。
というわけで、7歳のためのプラン「7-Nana」を特別に用意し、7歳の可愛らしさや美をより引き出せないかと考えました。
ただお洒落な場所で可愛い衣装で撮るのは単なる撮影です。それに対し、まずあるテーマを設定し、あくまでテーマに沿って場所や衣装をはじめ、小道具・ヘアメイクからポーズ・表情・照明にいたる要素まで決め、意味のある作品にするのが制作です。よって重要なのは基盤になるテーマです。
more本ページのサンプルでは「蝶愛ずる少女」というテーマを設定し、単にお洒落や可愛いでなく、一人の女の子がどいう人物なのか、どいう物語があるのかを意識しています。撮影よりも準備の方が大事になり、手間をかけます。テーマがあることで、ポーズや表情にその理由と必然性が付与され、普通の撮影よりもむしろ自然かつ生き生きした写真が撮れるように思います。
昨今七五三は、「モダン」なスタジオで、「モダン」な着物で撮影するのが一つの流行のようです。まさに現代的可愛らしさがあり素晴らしいです。ただ、クラクラで同じことをしても無意味ですし、そもそも真似できないと思いました。ですからクラクラでは「モダン」は追求しません。
moreクラクラは本来「レトロ」「ノスタルジー」の追求が目指すところです。ただ可愛いではなく、そこに懐かしさ、幻想性、神秘性が宿っていることが写真の理想なのです。そして、それでいて本来の七五三らしさも損なわず「クラシック」な雰囲気も残すことが重要と考えました。「レトロ・クラシック」これが根本的なコンセプトになります。
まず、ユメノギャラリーさんは壁一面の本棚を備えた洋アンティーク主体のスタジオ。わずかに頽廃的な雰囲気もあるこの場所は利用してみたいと思っていました。
次は着物選び。柄は現代風のシンプルなものでなく、敢えて洋にも寄せず、昔ながらの和柄で、色は「黒」がいいと思いました。「赤」が基本ですが、それでは普通すぎる。ただ黒地の絹の着物は貴重らしくなかなか手に入りません。ようやくたまたま手に入ったのが「蝶柄」の着物でした。帯はそこに着物の蝶が止まりたくなるような花、をイメージしました。
このように「蝶柄」の着物から蝶愛ずる少女のアイデアが生まれました。蝶愛ずると言うとマリア・シビラ・メーリアンが思い浮かびますが、彼女のように研究や実験をする姿のようなイメージにできたらよいと思いました。そこで顕微鏡や虫眼鏡、蝶関連の書籍といった小道具を揃えました。それはユメノギャラリーという場所ともぴったり一致しました。
ヘアメイクからは、無邪気な少女の雰囲気を出すためにダウンスタイルで、シンプルかつ無造作な感じと提案があり採用。また蝶をあしらったリボンも制作してもらいました。
さて、このようにその子その子で独自のテーマ、ビジュアル、表情などを探っていきます。蝶娘は一つの例にすぎません。まさに「作品制作」と言えるプランであり、流行を追うではないからこそ、時間も手間もがかかります。どうでしょうか、異色の七五三です。興味が湧いたらご相談ください。プランの性質上、料金は固定にできません、お見積りになります(撮影場所、着物でだいぶ変わってきます)。
more最後にサンプルのモデルは実際に「7」歳の女の子です。美人!!今日は蝶好き女子になるよと伝え、指示は簡単なポーズのみ。とてもがんばってくれて終始笑顔。ありがとう!しかし無慈悲なカメラマンは「笑わないで」と言います。ごめんよ。そして掲載したのも「退屈そうな」「物憂げな」表情ばかりです。いや笑顔も当たり前に可愛いんです。でもこの場はむしろ無表情が「相応しい」。可愛いければいいではなく、あくまでテーマにこだわるのが大事というのを証明したかった。それに彼女はそれでいっそう美しく見えてしまうのが不思議な魅力で、だからモデルを依頼したんです。
ディレクション
いのまたよしはる
カメラマン
いのまたじゅんこ
着付師
Yuki
ヘアメイク
はるちん